目を閉じた
  音もみえなくなり
   空気は地面に這いつくばった
    
  夏だった

 
 目の前には
  ついさっきまでいた
   黒髪の女の匂いがたしかに
    
  わたしはおぼえている

 

  じぶんのからだを忘れるくらいの
  しせんを空にそそいだら
   とおり雨がTシャツを濡らす
     
  
  
  きょうが夏だったことを気にもとめずに
  
 にゅうどうぐものない空
  自転車はパンクするだろう
 
風はぼくのからだをおきざりにする
 ときおり
気まぐれのように
 

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