休日

2004年5月19日
だれもいない教室が好きだ
ひんやりと静かな湿気
がらんどうで空気のすきまも見当たらない

いつもなら開けっ放しの
窓に歩み寄り
校庭を見下ろす
昨日までの喧騒が嘘のように
何の跡もない

水槽のモーターは規則的に動く
循環する水、気流は一定し
かすれた声、言葉だけが響く
ベランダの隅にいるプランターの花が
雨を待っている

なんとなく
普段話さないような人の席に座りたくなる
イスを引き、浅く腰掛ける
薄い文庫本の詩集をながめる
今、ここで、読んでいるという可笑しさ
目をつぶってくすぐったさに堪える

外が暗くなった
雲に抱きしめられたか

気ままな時間は過ぎ
楽しさから寂しさへと変われば夕刻

ひんやりとした空気を
細く深くすいこむ

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