ナスカ

2004年6月12日
地上にはりついた
躍動が静かにゆらめき
しかしそれは単なる溝だ

俺を模した形が描かれることは無いわけだし
そうかといって何らかの使命感で
俺が作らなければいけないこともなく

ああ在るんだ

大地に咲く花のように

砂ぼこりは舞い上がり
空気と均一化
目を潰し
喉から這って流れ込む

俺は砂になりたい
そして他人によって皮膚を傷つけられ
取り返しのつかない普遍的な記憶の一部と成るのだ
笑えはしまい 泣けるわけがない

砂の俺は
大地の俺は
一枚の絵画になって
空の上の薄黒い場所からのぞき込まれる
日のほんの一瞬
投げ込まれた微笑が糧となって

それから次の一日を眠って過ごす
身体を動かさないで砂のように静かに

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